こんにちは!みぞこし歯科医院歯科衛生士の岩永侑里香です。「近ごろなんだか口の中が乾く」なんてことはありませんか?今日から唾液について書いていきます。
唾液はこんなに働きもの!
普段私たちは唾液の存在をとくに意識せずに過ごしています。ところが、口の中の唾液が減ると、たちまち困ったことが起きてきます。唾液は、驚くほどさまざまな役割を担っているからです。
たとえば、
◎唾液で粘膜が潤されるおかげで噛んだりしゃべったりがスムーズにできます。
◎唾液で食べ物が湿るおかげで食べ物が噛みやすく飲み込みやすくなります。
◎食べ物の味物質を唾液が溶かすおかげでその食べ物のおいしさをじっくり感じることができます。
◎食べかすを洗い流して口の中をきれいにしてくれるうえ、唾液の抗菌物質がばい菌の活躍を抑え、酸とアルカリを中和して初期むし歯を修復し歯を守るという重要な役割も果たしているのです。
それって唾液が減ったせいでは?
次のような変化はありませんか?
チェックしてみましょう!
★笑うと前歯にくちびるが引っ付く。
潤い不足で、くちびるや舌、頬の粘膜がなめらかに動きにくいのかもしれません。しゃべりにくい、しゃべるとクチャクチャ音がする、口角炎ができやすい、というようなことも起こりがちです。
★夜中にのどが乾いて目が覚める。
夜中に口の中がカラカラになり、目が覚めたりしていませんか?睡眠中は唾液の分泌量が減るので、唾液の分泌がもとから少ないと、口の乾きがつらくて目が覚めてしまうことがあります。
★口内炎ができやすい。
潤い不足のために、舌や粘膜が歯や被せ物などとこすれやすくなってしまいます。唾液の抗菌機能や自浄作用が十分に働かないことも影響しているのかもしれません。
★合っていた入れ歯が落ちやすくなった。
唾液で潤った土手の粘膜に吸着し安定するはずの入れ歯が、潤い不足のために吸着しにくく落ちやすくなってしまうことがあります。調整してもこすれて痛みが出てしまうといったことも起きがち。
★お茶がないと飲み込みにくい。
唾液が減っているために、噛んだ時に食べ物に唾液が十分に混ざらず、軟らかくなりにくいのかもしれません。飲み込みにくいために飲み物で流し込むようにして食べていませんか?
★口臭が強くなった。
細菌の活動を抑制する抗菌作用が十分に働かず、また唾液の持つ自浄作用も不足していることが影響しているのかもしれません。
★むし歯が急に増えた。
むし歯になりかけた歯を修復する唾液の緩衝作用が十分に働かず、むし歯になりやすくなってしまいます。歯茎がやせて象牙質がむき出しになった歯の根元はむし歯になりやすく、とくに要注意です。
★酸っぱいものがしみる。味覚が変わった。
酸っぱいものが舌にしみたり、酸味を強く感じたりすることはありませんか?潤い不足で舌の粘膜が荒れているのかもしれません。また、唾液による食べ物の溶解作用が十分に働かないと、味を感じにくくなることがあります。
このように、
唾液が減ることによってこれだけの不具合がお口の中で起こってしまいます。今、自覚がある人も自覚がない人もどれだけ唾液が出ているか、むし歯になりやすい口の中なのか唾液検査で調べてみるのもいいですね。
さて、次回は「唾液ってどこからでてくる?」「どうして唾液が減ってしまう?」です。